元外交官・孫崎享氏が著した『小説外務省―尖閣問題の正体』は、尖閣諸島を巡る日中関係の内幕を小説形式で描いた作品です。本書は、フィクションの形を取りながらも、実際の外交問題や政治的背景を鋭く浮き彫りにしています。

本書の主人公は、1977年生まれの外交官・西京寺大介。彼は2022年、尖閣諸島の扱いを巡り外務事務次官と対立し、外務省から追放される瀬戸際に立たされています。物語は、彼が日中関係の修復を図る中で直面する困難や、外務省内の親米派と少数派の対立を描いています。

著者の孫崎氏は、元外交官としての経験を活かし、実在の人物や出来事を織り交ぜながら、尖閣問題の本質に迫っています。彼は、尖閣諸島の国有化宣言によって激化した日中関係の背後に、米国の戦略的意図があると指摘しています。また、外務省が米国の影響を強く受けている現状を批判的に描写しています。

本書は、外交問題に関心のある読者にとって、日中関係や日本の外交政策の裏側を知る手がかりとなる一冊です。フィクションの形を取りながらも、現実の問題を鋭く描き出しており、読者に深い洞察を提供します。